Heliar Vintage Line 50mm F3.5
1900年、フォクトレンダー社のハンス・ハルティング(Hans Harting)は、トリプレットの3枚のうち、
前群と後群を貼り合わせにしたヘリアーを開発しました。さらに3年後には、貼り合わせ面の凹を凸に替え、
改良してダイナーとしましたが、第一次大戦後、ダイナー型を復活する際に、名前をヘリアーに戻しました。
ヘリアーは高級レンズとして知られましたが、同時期に、ライバルのツァイス社が開発したテッサーの方が、
貼り合わせが少なかったこともあり、圧倒的に普及しました。しかし、フォクトレンダー社にとっては、
レガシーなので、日本のコシナ社がフォクトレンダーのブランドを復活した後も、度々復刻してきました。
Heliar (1900)、 Color-Heliar (Dynar) Wikipediaより
クラシカルテイストのオリジナルデザインの外装が採用されたヘリアーが、昨年発売されました。これは、
101年目の2001年に、BESSA T HELIAR 101 YEARS MODELとしてカメラとセットで限定発売された、
沈胴式スクリューマウントのHeliar 50mm F3.5をVMマウントの固定鏡胴にしたもので、最短撮影距離も、
0.7mと短くなり、距離計にも連動します。そして、アメリカのThe Nikon Historical Society特注品の、
BESSA R2S NHS Specialとして限定発売されたモデルの鏡胴を踏襲した素晴らしいデザインです。
Heliar Vintage Line 50mm F3.5 VM, Voigtländer-Cosina レンズ構成図はコシナのHPより
距離計連動のレンジファインダー用レンズですので、ここは、Leica M10の出番です。もちろんα7IIでも、
周辺画像に問題はありませんが、鏡胴も細まっているので、ライカの方がデザイン的にはマッチしますね。
Heliar Vintage Line 50mm F3.5 + Leica M10
明るさは、F3.5と控えめですが、非常にシャープで、豊かさも兼ね備えた味わいを楽しみましょう。
ライバルのテッサーも、三半が名玉ですから、この明るさに控えることは、何かあるのでしょうか。
近所の王子稲荷神社は、広重が江戸名所百景で「王子稲荷の社」として描いた神社ですので、同じ構図で。
歌川広重「王子稲荷の社」 Wikipediaより
Heliar Vintage Line 50mm F3.5 + Leica M10 F5.6 1/60 ISO1600
豊かな色彩感とシャープさがよくわかります。
Heliar Vintage Line 50mm F3.5 + Leica M10 F5.6 1/60 ISO2500
F3.5の開放でも、結構ボケの味わいもありますね。
Heliar Vintage Line 50mm F3.5 + Leica M10 F3.5 1/60 ISO4000
現代的な写りとオールドらしい写りが共存しているとも言えますね。
Heliar Vintage Line 50mm F3.5 + Leica M10 F3.5 1/45 ISO6400
全てJpeg無編集で、サイズ変更のみです。
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